繰り返す人生。
明け方の空気は、昼間とは同じと思えないくらい
しんとして澄んでいる。
この澄み渡りは、人だけのものではないのだと感じる。
そのうち、みんな眠りをへて生まれ変わり
のそのそと起き出して、今日も昨日と変わらず何かをしようと動き始める。
そうすると、その澄んだ空気に人々のざわつきが溶け出してきて
あのいつもの混沌とした感じになってしまう。
そうしてやっと一日が終り、みんなが緩みはじめるとざわつきざらついた空気は
闇のどこかへ逃げていく。
ざらざらの余韻を残したまま、人はそわそわとうきうきする宴をはじめる。
宴が最後に近づくと、人々はそっと死に向かうかのように静まってゆく。
安堵感のようなあたたかさを感じながら。
毎日そうやって、ちいさな波のようなものを、ひしひしと感じられていたら。
心から、生きていることが素晴らしい、とわかるような気がする。
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